2020.12.10

場所のこと 考えていること02

前回、自分が思っている自分の事務所の特徴を書いたのですが、もしかしたら一番の特徴は東京と宮崎に事務所があることかもしれないなと思いました.

事務所のスタッフの入所希望でも2拠点で仕事をしている事務所であったことが言われることも多くて、それも一つの特徴だなと改めて思いました. 若い人が地方に目が向いているのがよくわかります. 自分の故郷で建築事務所を開きたい人も多いように思います.場所が変わるともちろん建築が変わりますし自分の心持ちも変わります. 僕が2拠点を面白いと思っていることのひとつです.

独立時に東京で住宅の仕事があったので、東京で事務所を開き、それが終わったら宮崎に帰ろうと考えていました. その仕事は結局ストップしてしまいましたが、その後東京近郊の仕事が続いており、そして同時に地元の宮崎でも仕事のお話をいただくことが増え始めて、スタッフも雇い、意図的ではなく結果的に2拠点となっています.

自邸を独立当初に宮崎で建てたのですが、建築人生での初めての新築住宅でした. 宮崎の材料を使いたいと思いました. 結構面倒な建築家だったと思いますが、図面をたくさん書き、現場に通い、幸い大工さんたちは熱心に仕事をやってもらって非常に満足するものになりました.当時仕事が全然なかったので、現場につきっきりで色々と話を聞きながら、時には産地やプレカット工場、加工場に行ったりしながら、建築を作れました. 今では宮崎の住宅はつきっきりということはなくなりましたが、その後もこの近い距離で仕事させてもらってます.それは都会にない地方での自分の大好きな現場でのライフワークとなってます. やはり地元で、より愛着のある場所での建築は、自分にとってなくてはならないことになっています.

 都会では非常に刺激のある建築や展覧会などの楽しみが多いですし、いろいろなショールームも行きやすい.スタッフの(雇用の)問題もクリアです. 2019年には台湾で、設計協力(設計監理補助)した初めての海外での建築も出来ました. 静岡県浜松市や群馬県みどり市や埼玉県久喜市など、数年続けて仕事をしている場所もあり、東京に拠点がなければ出来なかった仕事です.

もちろん多拠点のデメリットもあるけれども、自分としては都会と地方のメリットを享受しながら、そして、前回同様、建築の相互フィードバックがあるとクライアントにとってもメリットがあると思って2拠点に活動をしています.こうなれば3拠点、4拠点あっても良いかもしれないと思ったりもしています.リモートが一般的になれば、それも可能かもしれません.(※解決しないといけない問題もありそうですが.)

宮崎はいいところが多いので、是非来てみてください. 18歳で離れて、事務所の設立で戻って実感するのはご飯がとにかく美味い気がします. 空も広いし、海(自然)も温泉も近いです. 都会とは別の楽しみがたくさんあります. おすすめ案内しますよ.