なぜキャンプ場を運営(協力)しているのか
2020年の4月より宮崎市の白浜キャンプ場の運営に協力しています. 場所で言うと、巨人軍のキャンプ地や海水浴で有名な青島からすぐ近くです. Instagramでちょこちょこっと写真を載せているためか、どうしてキャンプ場やっているんですか?と聞かれます.
単純に言えば、『一緒にやりませんか?』と誘われたからということになるんですが、少し振り返って整理してみると、それだけでもないように思いました.
コンセッション方式(※)で運営、2020年の年始にプロポーザルで選定いただきました.
運営している会社さんは、元々の知り合いで昔から一緒に宮崎県内のいろいろな場所をめぐっていた仲でした. 当初、建築事務所は受注が来てから動くので、出来れば自分から発注(運営)する方になってみたいと話をしていたので、声をかけてもらったのだと思います.
色々と仕事の話をいただく機会はあるのですが事業の採算が合わなかったり、方向性が合わなかったりというのは建築事務所ではよくある話で、建築事務所は前提の枠の中でしか動けないジレンマをたびたび感じており、枠をどう設定するかというところに自分が関わりたいと思ったのが最初で、それじゃ自分が運営やっているというのも、今後強みになるのではないかと考えたためです. (※枠という言い方は適切ではないですが、分かりやすいように枠と表現しています.)
実際、毎日運営に参加をしているというよりは、動くのは平均すると月に1度から2度程度、例えば事業計画から今年にかけられるお金などを計算して、その中でどこにお金をかけると施設魅力度が上がるかを話し合って、ハードが必要であれば予算内で建築を設計しますし、むしろハードではなく『HPを整理した方が稼働率が上がるのでは?』ということになる可能性を提案することもあります.良き相談役というのが正確かもしれません. 当たり前ですが、無限にお金がある(かけられる)わけではないので、そこは結構シビアに考えます. 建築家ですので、ハードを設計する魅力はありますが、逆に予算が少なすぎて中途半端になったり、その予算であれば別のものに振り分けた方が良い場合もあることも多く、実際に運営する側にまわってみると、客観的に施設の魅力を分析して、金額を設定したり、隠れた魅力のアクティビティの提案を考えたりで、今あるポテンシャルを生かした、地に足がついた経営をすることを一番大事に考えていることが多いです.設計を前提にすることはほとんどありません.
ということで、自分の建築人生においてキャンプ場の運営(協力)をすることで、様々な学びが多く、スキルを生かしつつ楽しみながら地元に関わっています. 意外に建築家は設計というスキル以外も重宝されると思いました.
興味があれば、白浜キャンプ場(https://aoshima-camp.com/)へどうぞ。コテージもキャンプサイトもあります. 海にも温泉も歩いていけますよ!
※コンセッション方式とは
利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式(内閣府のHPより)